雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは

雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは

投稿日:2019.2.13  更新日:2024.5.28

屋根塗装を行う上で「縁切り(えんきり)」や「タスペーサー」は絶対に押さえておきたい用語です。

これから屋根塗装を検討している方にはぜひ意味を知っていただきたい言葉です。
 
まずは結論からお伝えしますと、

 

縁切りは屋根塗装後、屋根材の重なりに隙間を作る作業

 

タスペーサーは縁切りを簡単に行える道具

 

そして縁切りは施工後、屋根からの雨漏りを防ぐ重要な工程となっています。

 

※ただし、縁切りはすべての屋根に必要というわけではありません。
 富士宮塗装店では事前に屋根の状態を診断し、適切な施工方法をご提案いたします。

 

縁切りはスレート屋根やスレート瓦の屋根の塗り替え時に必要な作業
(商品名だとカラーベストやコロニアル)

 

スレート屋根

スレート瓦

屋根は一枚ずつ軒先から棟に向かって重ねながら葺いていきます。
その屋根材の重なりには隙間があります。

 

隙間があるということに驚かれるかもしれませんが、これは適切な施工でして、隙間があることで屋根内に流れた雨水を外に逃し、通気もとれるようになっています。

 

つまり屋根材の重なりにできる隙間は必要な隙間ということです。

 

この隙間は結露を防ぐことにも一役買っています。
屋根は太陽光に熱せられ、温度差で結露が発生しやすい構造です。
屋根材の下にあるルーフィングや野地板(屋根下地)が水分に触れ続ける状態なため、劣化を早める原因にもなります。

 

屋根塗装で必要な隙間がなくなってしまう

「隙間がなくなってしまう」ということは一体どういうことでしょうか?

塗料は硬化すると塗膜を作ります。

 

屋根を塗っていると、塗膜が隙間のところに被さり塞いでしまうということが起きます。

侵入した雨水や通気をとるためにあった隙間が塗膜で塞がれてしまうと、屋根内に水が溜まり、湿気もこもってしまう。

 

つまりずっと水気にさらされる状態になるため、ルーフィングの劣化が早まってさらに水が浸透しやすくなり、野地板は腐食を起こして、そして雨漏りへと被害が発展します。

 

屋根の重なりにある隙間が塞がってしまうということは、屋根に雨漏りのような甚大な被害を与えてしまうのです。

 

そこで行われる作業、屋根と屋根の間に隙間を作る「縁切り」

縁切りは上記でお伝えした不具合を防ぐために行います。

縁切りは「塗膜を切り込む方法」「タスペーサーを使用する方法」の2つありますが、後者は次の項でお伝えするとして、まずは従来の「塗膜を切り込む方法」をご説明します。

 

「塗膜を切り込む方法」とは、塗装後、隙間を塞いでいる塗膜をカッターや皮スキ、スクレーパーなどを使って切り込み、隙間を設ける方法です。

 

塗装が仕上がった後に、一枚ずつ塗膜に切り込みを入れて隙間を確保します。

縁切りをすることで、水や空気の通り道を作りますが、従来の方法だとせっかく仕上がった屋根を傷つけたり、汚したりする問題がありました。

また、すべて手作業で行うため、精度が不安定なことと太陽光の熱で塗膜が膨張し、せっかく設けた隙間をまた塞いでしまう懸念もありました。

 

そこでこのような問題を改善できる「タスペーサー」が登場します。

 

縁切りを簡単に「タスペーサー」

従来の縁切り方法だと色々な問題がありました。

そこで問題を解決できるのが「タスペーサー」です。

 

タスペーサーは厚さ5mm、直径4.5cmほどの樹脂製(ポリカーボネート)の部材。

これを下の写真のように屋根材の重なりに差し込んで隙間を確保します。

 

 

縁切りの代わりにタスペーサーを使うことは、こちらの3つの大きなメリットがあります。

 
①美観を保つ、②工期短縮、③価格が安い

 

タスペーサーのメリット① 美観を保つ

①美観を保つ
 

従来の方法では、塗装した屋根の上に乗って縁切りを行うため、どうしても傷や汚れをつけてしまいます。

タスペーサーなら下塗りの段階で設置できるため、仕上がった屋根はそのまま、美しい状態でお客様にお引き渡しできます。

 

タスペーサーと従来の縁切りの工程はこちらのようになっています。

 
タスペーサーの工程
1.下地調整→2.下塗り3.タスペーサー挿入→4.中塗り→5.上塗り
 
縁切りの工程
1.下地調整→2.下塗り→3.中塗り→4.上塗り5.縁切り
 
 

タスペーサーのメリット② 工期短縮

タスペーサーは工期短縮も図れるメリットがあります。

一般的な住宅の屋根に縁切りを行う場合、職人2人で約1日の作業時間が必要です。

 

縁切りと足場の解体は同日にできないということもありますから、必然的に縁切りと足場の解体で2日間を要します。

それに代わりタスペーサーは、職人1人でも約2時間程度で完了しますので、工期を短くすることができます。

 

タスペーサーのメリット③ 価格が安い

タスペーサーの材料費はありますが、従来の縁切り方法よりも価格を安く抑えられます。

従来の縁切り方法は、人件費が1日分かかり、費用は5〜6万円程度です。

 

それに代わり、タスペーサーは単価が20〜50円/個、20〜30坪くらいの住宅だと700〜1,000個必要とされていますので、施工費は1.5〜5万円程度で抑えられます。

 

最後に

屋根塗装を行う上で「縁切り」は雨漏りを防ぐ大事な工程です。

縁切り方法は「塗膜を切り込む方法」と「タスペーサーを使う方法」の2つがあります。

 

現在では施工性の容易さと精度の高さ、美観を保つこと、価格の安さなどもあってタスペーサーを使用するのが一般的です。

 

縁切りを行う際に便利なタスペーサーですが、設置できない屋根や設置不要な屋根があります。

どんなに便利な道具を使ったとしても誤った施工を行なってしまうと後々不具合を起こしたり、余計な費用を払ってしまったりします。

 

富士宮塗装店では、お客様からご相談をいただいた後に、細かく建物の状態を診断して適切な工事をご提案させていただきます。

 

屋根の状態に少しでも不安な点があれば、お悩みを解決できるように力を尽くさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

 

無料診断はこちらの「プロが見る無料診断」をご覧ください。

 

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