下地調整の重要なポイント2 釘頭と下地強度の確認(トタン)・屋根のひび割れ、クラック補修、縁切り作業
投稿日:2019.8.2 更新日:2024.11.28
塗装工事において下地調整は徹底的に行わなければいけない作業です。
どんなに優れた塗料を使っても下地調整が疎かになっていれば長持ちしません。
本記事では、塗装工事を始める前にぜひ知っておいていただきたい下地調整の重要なポイントをご紹介いたします!
下地調整についてはこちらの「下地調整の重要なポイント1 コーキング処理・ひび割れ、クラック補修(外壁)」もぜひご一緒にご覧ください!
下地調整の重要なポイント① トタンの釘頭と下地強度の確認
数ある外壁の中で、こちらではトタン外壁の下地調整について解説いたします。
トタンは亜鉛メッキ鋼板のことです。
外壁内部に下地を組み、そこにトタン外壁を覆い釘を打ちつけて肯定しています。
トタン外壁は経年劣化で錆びてくるので、定期的に塗装が必要です。
トタン外壁の塗り替え時に重要なポイントとなるのが、釘頭の浮きや下地強度の確認です。
釘頭と下地強度の確認方法は?
トタン外壁の下地強度を確認する場所はこちらの2つです。
・釘が浮いて飛び出ている場所
・釘が抜けている場所
こちらの二箇所についてご説明いたします。
釘が浮いて飛び出ている場所
下地を確認するために釘を一本一本チェックするのは大変です。
そこで重点的に見る場所の一つが「釘が浮いて飛び出ている場所」です。
トタン外壁は、内部の貫板という木下地に釘を効かせて固定しています。
その貫板は、湿気や水に触れ、経年により次第に痩せてきます。
収縮した貫板は、釘の効きが悪くなり、トタン外壁から浮いてきます。
釘が抜けかけてくれば隙間も生じてくるため、そこから雨水が入ってきてさらに状態を悪くさせます。
下地としてまだ保っていれば、抜けかけた釘を再打ち込みします。
もし、下地の劣化が激しく、釘を再打ち込みしても抵抗がなければ下地としての役割を果たせませんので、貫板を新しいものに交換する必要があります。
釘が抜けている場所
もう一つ確認する場所が「釘が抜けている場所」です。
釘が抜ければその穴から雨水が入り込み、貫板の劣化をさらに早めます。
下地の腐食を招くだけでなく、シロアリを寄せ付ける原因にもなりますので、長く放置するのは注意が必要です。
下地として機能すればいいですが、釘を打っても手応えがない場合は、下地を新しいものに交換する必要があります。
また、トタン外壁の継ぎ目も注意が必要なため、継ぎ目の釘も確認しておくことが大切です。
下地調整の重要なポイント② 屋根のひび割れ、クラック補修、縁切り
続いて、スレート屋根の下地調整の重要なポイントをご紹介いたします。
スレートとは、セメントとパルプ(繊維質)を混ぜ合わせ成形し、表面に塗装を施した軽量屋根材です。
スレートの始まりは粘板岩からですが、現在では一般的にセメント系の化粧スレートのことを指します。
スレートのことをコロニアル、カラーベストとも呼んでいます。
スレート屋根は割れやすい?
スレートは厚さ5mmほどの薄い屋根材です。
経年劣化すると塗装が摩耗して水を吸い込みやすくなります。
太陽に熱せられてスレート内にある水分が抜けたり、雨を吸ったりする環境にあるため、スレートは膨張と収縮を繰り返します。
塗装が摩耗すると膨張・収縮の動きが頻繁に繰り返され、やがてひび割れや破損を起こします。
それに代わり昔から使われている瓦は、粘土が原料で厚さは約20mmあります。
非常に頑丈で、耐用年数は50年程度です。
瓦と比べるとスレートは、割れやすい欠点があります。
元々屋根は傷みやすい環境にあり、年数が経っているとひび割れや欠損などが生じているのがほとんどです。
屋根塗装では、このような不具合を直してから塗装します。
スレート屋根の補修方法は?
ひび割れのことを専門用語でクラックと呼びます、
クラックは軽傷で済んでいる場合は、コーキングで補修できます。
コーキングとは樹脂を原料にする充填材で、窓や外壁目地、破風板の継ぎ目など水の侵入を防ぐ場所に使用されています。
もし、スレートが大きく破損していれば、別の補修方法を検討する必要があります。
そこまで被害が広がっていなければ、「スレートを差し替える方法」もあります。
「差し替え」とは、割れたスレートをスレーターズリッパーという専用の道具で抜き、そこに新しいスレートを差し込みます。
新しいスレートに差し代わるため、コーキングで補修する�りも跡が目立たなくなります。
もし、広い範囲でスレートが割れている場合は、葺き替えやカバー工法もご検討していただくことをおすすめします。
ひび割れやクラックからの雨漏り対策は?
スレートにクラックがあると雨漏りを心配するかもしれませんが、その下にはルーフィングが敷かれていますので、スレートにクラックがあっても雨漏りすることはありません。
スレートは外壁と同じく定期的に塗装が必要で、10年程度が塗装時期の目安です。
塗装が摩耗すると水を吸って膨張と収縮が大きくなり、クラックを起こしやすくなってしまいます。
もちろん、雨漏りしないからといってもクラックを起こしたままにしておくのは良くありません。
スレートが割れて飛散した破片が周辺の建物や車を傷つける恐れがあります。
また、ルーフィングは20〜30年ほどが寿命ですので、これくらいの年数が経っている場合は葺き替えやカバー工法をご検討する時期です。
屋根塗装はよく外壁塗装と一緒に行われますので、これから塗装をお考えの方は、ぜひご一緒にご検討ください。
屋根は状態が見えにくい場所ですから、塗装するタイミングを逃さないように定期的に点検の実施をおすすめします。
富士宮塗装店は建物診断や見積もりを無料で実施しております。
建物の状態が気になっていましたらお気軽にご相談ください!
無料診断はこちらの「プロが見る無料診断」をご覧ください。
縁切り作業は上塗り工事の後に行う業者もいますが下地調整の段階でタスペーサーを設置する方が効率も仕上がりもよくなります。
縁切りとは?今はタスペーサーが主流
スレートの塗装では「縁切り」という工程があります。
縁切りはスレートの継ぎ目に隙間を作る作業のことです。
スレートを塗装すると継ぎ目にある隙間が塗膜で塞がれ、内部に侵入した雨水や湿気が外に抜けにくくなります。
雨水を吸い上げる毛細管現象も起きてしまい、雨漏りを引き起こすリスクを高めてしまいます。
縁切りは、塗装後の雨漏りのリスクを解消するとても重要な工程です。
現在では、タスペーサーを使用して縁切りを行うのが一般的です。
タスペーサーはスレートの継ぎ目に差し込む縁切り用の部材です。
タスペーサーを設置するとその厚さ分スレートが浮き上がり、塗装後も隙間を確保できます。
縁切りはタスペーサーを設置する他に、塗装した後に皮すきやカッターで塗膜を切り込む方法もあります。
施工状況や業者によって縁切り方法の提案は変わってくると思いますが、どうしてその方法で縁切りをするのか詳しく説明をもらっておくことをおすすめします。
縁切りを省いて杜撰な工事をする業者も中にはいますので、スレートを塗装する際は、ちゃんと縁切りを行うか確認し、慎重に業者をお選びください。
タスペーサーについてはこちらの「雨漏りから屋根を守る、タスペーサーとは」をご覧ください。
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