モルタル外壁のメンテナンス方法を解説
投稿日:2026.10.30 更新日:2026.10.31
外壁材として長く採用されてきたモルタル外壁は、和風・洋風を問わず美観に優れ、デザインの自由度が高い点が魅力です。一方で、紫外線や雨風の影響を受け続けるため、定期的なメンテナンスが必要です。そこで気になるのが、モルタル外壁にどんなメンテナンス方法があるか、ではないでしょうか?
本記事では、外装工事に携わってきた専門業者の視点で、モルタル外壁のメンテナンスについてわかりやすく解説いたします!
モルタル外壁とは?

モルタル外壁とは、セメントと砂、水を混ぜ合わせたモルタルを職人が手作業で塗り重ねて仕上げる外壁です。継ぎ目のない一体感のある仕上がりで、コテ塗りや吹き付けなど多彩な模様をつけることができます。また耐火性に優れ、補修しやすい点も魅力といえます。
一方で、乾燥や建物の揺れによってひび割れ(クラック)が起こりやすく、水を吸いやすいため、防水性を保つ塗装が必須です。さらに職人の技術で品質に差が出やすく、工期が長くなりがちな点もデメリットにあります。
モルタル外壁に発生する劣化症状

モルタル外壁の劣化は、段階的に進行します。初期に見られるのが、紫外線で塗料の顔料が分解されて起こる「色褪せ」と、外壁を触ると白い粉が手につく「チョーキング」です。
次に、雨だれや排気ガスなどによる「汚れの付着」、湿気の多い北側を中心とした「コケ・カビの繁殖」が現れます。さらに進行すると、乾燥収縮や地震の揺れで生じる「クラック」や、塗膜が浮いてめくれる「塗膜の剥離」が発生します。
これらは防水機能が低下しているサインです。塗装の劣化は「褪色→チョーキング→クラック→剥離」という流れで進んでいきます。理想は褪色やチョーキングが出る劣化初期の段階で塗装をご検討していただくことをおすすめしています。
劣化の放置にご注意!モルタル外壁の危険な症状

劣化を放置すると、被害は外壁の表面だけにとどまりません。クラックから雨水が侵入し続けると、モルタルが下地から浮いて剥がれ落ち、「外壁の崩落」を招く恐れがあります。通行人への事故につながるおそれもあり、大変危険です。
また、「雨漏り」にも注意しなければなりません。建物内部に水が浸入すると、柱や土台などの構造体が腐食する恐れがあります。
さらに室内にまで流れてきた水が天井や壁にシミをつくり、雨漏り修理だけでなく、内装の復旧まで必要になります。腐食した構造体は耐震性の低下を招き、シロアリ被害も誘発します。雨漏りは二次被害もあるため、早期発見・早期対応が大切です。
モルタル外壁のメンテナンス方法
モルタル外壁の状態に合わせて、適切なメンテナンスを選ぶことが大切です。
ここでは代表的な4つの工事をご紹介します。
外壁塗装

外壁塗装は、防水性を回復させる基本のメンテナンスです。高圧洗浄で汚れやコケを除去し、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で塗膜を形成します。塗膜がモルタル表面を保護することで、雨水の吸収や紫外線による劣化を防げます。
塗料にはシリコン、フッ素、無機などがあり、耐用年数や費用が異なります。また、ひび割れに追従する弾性塗料を選ぶと、クラックの再発抑制にも効果的です。色褪せやチョーキングなど、初期症状の段階で施工すれば費用も抑えられるため、早めの塗り替えをおすすめします。塗装前には下地のひび割れや劣化も丁寧に補修します。
クラック補修

クラックは幅によって補修方法が異なります。
幅0.3mm未満のヘアークラックは、コーキングや微弾性フィラーなどで埋める方法が一般的です。
幅0.3mm以上の構造クラックは、V字またはU字にカットして、シーリング材や樹脂モルタルを充填する工法で補修します。
ひびを放置すると、雨水が内部へ浸入して下地や構造体を傷める原因となります。クラックの原因は、モルタルの乾燥収縮や地震・車の振動による揺れ、下地の動きなどさまざまです。見た目は小さな線でも内部では雨水が浸入している場合があります。ご自身で判断せず、専門業者による診断を受けましょう。
コーキング処理

モルタル外壁では、サッシ周りや換気口、配管の貫通部、目地などにシーリング(コーキング)が使われます。このシーリング材は紫外線や温度変化で硬化・収縮し、ひび割れや肉痩せが起こります。サッシまわりは隙間から雨水が入ると雨漏りの原因となるため、メンテナンスのタイミングには気をつけておきましょう。
一般的なコーキングの耐用年数は10年前後です。劣化してくると変色やひび割れ、痩せ、剥離などの症状が出てきます。現在では、20〜30年も耐久する高性能なコーキングも販売されていますので、メンテナンス頻度を減らしたい方はこちらがおすすめです。
外壁張り替え

劣化が下地や構造体まで及び、塗装や補修では対応できない場合に検討します。モルタル外壁の耐用年数は、定期的なメンテナンスを行った場合で30〜40年程度が目安です。
築年数がこれに近づいている場合は、張り替えを視野に入れましょう。張り替えの方法には、既存のモルタル外壁をすべて撤去する方法と、既存のモルタル外壁を残して上から新しい外壁材を張るカバー工法があります。
カバー工法は、既存の外壁に新しい外壁材が加わるため建物の重量が増え、耐震性の低下につながる可能性があります。カバー工法をご検討の場合は、建物の条件に適しているかどうかを業者に判断してもらいましょう。
一方、張り替えは既存の外壁をすべて解体するため、施工費のほかに解体材の処分費もかかり、工事費が高額になる傾向があります。工期も長くなります。ただし、カバー工法のように古い外壁が残らず、重量のあるモルタルから窯業系サイディングや金属サイディングといった軽量の外壁材に張り替えることで、耐震性を向上できるメリットがあります。
外壁塗装は10年サイクルが目安

外壁塗装の目安は約10年ごとです。塗料の耐用年数や立地環境で前後しますが、10年を過ぎると防水機能が低下し、劣化症状が現れやすくなります。クラックやチョーキングを見つけたら念のために一度点検をおすすめします。
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